「色付分解型模型11」の記事を追加したのですが紙面の関係で書いていない「ホントは一番時間がかかった部分」というのがロフトなんです。
二階の天井があって、その上の「屋根裏部屋」的なロフトであればそんなに作りにくいこともないのですが、この物件のように二階の部屋にロフト「も」ついているパターンが一番やっかいです。
もともとやっかいな上に今回はロフト付きの部屋が2つもある。
まだ図面でしっかりと表現されていれば何とかなるのですが、こういったスペースってあまり図面では詳しく書かれていないことが多いんです。
どうしてなのですかね?
現場合わせ的な要素が強いのですかね?
ロフトが作りにくい最大の原因は天井がおおよそ水平であることは少なく、だいたい屋根勾配に合わせた形をしているということなんですよね。
という事はですよ、ロフトに壁が何箇所かある場合には写真のように全ての壁の高さが変わってくるわけです。一枚一枚ぜんぜん格好の違う壁を切り出していくということですね、製作的には。
この写真なんか見てもらえると判りやすいと思いますが、壁の高さ・形が全て違うでしょ?
ロフト部分を本来の位置から少しずらして撮った写真です。
ロフトの下の空間を見せなければいけないので、このような分解方法を採ることになります。
模型的には2ヶ所のロフト部分が一つのパーツとなっていて取り外せるように作りました。
隣り合わせになっているロフトスペースの間に壁があるじゃないですか。
この壁の高さは図面を見ても判らないんですよ。
最後まで悩んだ部分です。
このようにロフト部分は、高さ的なところが判断しにくい場合が非常に多いのですが
若い頃はお客様に電話しては「ロフトの一番低い所は床から何センチですか?一番高い所は?」なんて質問をしまくっていたんです。
お客様としても質問されている以上は答えなければならないじゃないですか?
でもね、きっと模型を頼んでいる段階くらいではそんなの判らないんですよ(笑)
仮に頭では判っていても電話でそれを伝えるのは本当に難しいんです。
そういうのが20年以上も建築模型屋をやっていると何となくわかってくるので、今では極力お客様に質問しないで模型を仕上げた上で写真を撮ってお客様に確認してもらうという手段をとっています。
それで明らかに違うということであれば修正したら良いだけのことじゃないですか。
本物だったらオオゴトですけど、模型ですからね。